2026年8月6日、名古屋証券取引所主催「株式投資サマーセミナー2026」に参加いたしました。
第一部の企業説明会(セントラルフォレストグループ/ケイティケイ)と、
第二部の永濱利廣氏による「26年度後半の内外経済市場予測」について、会場で聴講した内容を整理してまとめました。。
第一部:企業説明会(2社)
■ セントラルフォレストグループ(名証M:7675)
最初に登壇されたのは、セントラルフォレストグループ株式会社の永津嘉人社長でした。
同社は中部エリアの食品卸を統合する共同持株会社で、得意先はスーパー40%、外食17%、コンビニ14%、ドラッグストア14%と幅広く、地域の食流通を支える重要な企業であると感じました。
食品卸は利益率1%でも優秀とされる厳しい業界ですが、同社は物流受託(受託卸)やアンテナ店舗を活用し、ブランド認知向上と事業拡大を図っているとの説明がありました。
特に「長期ビジョン2030」では、未来から逆算するバックキャストと、過去から積み上げるフォアキャストを組み合わせ、卸のビジネスモデルを抜本的に変革する姿勢が示されました。
2026年から累進配当を開始し、StationAIの活用などDXにも積極的に取り組んでいる点も印象的で、食品卸の安定性に加え、物流効率化とAI活用が今後の成長ドライバーになると感じました。
■ ケイティケイ(東証S3035)
続いて登壇されたのは、ケイティケイ株式会社の葛西裕之専務取締役です。
同社は再生トナーなどリサイクル商品の製造販売を主力としており、廃プラスチック0.4kg削減、CO₂ 0.8kg削減といった環境負荷低減の取り組みが紹介されました。
1995年のWindows95登場でリパックトナー市場が拡大した歴史を持ち、現在はITソリューション事業が成長の柱となっています。 課題として「ROE低下」「営業利益率2.3%」が挙げられましたが、これは自己資本が積み上がった結果であり、財務健全性はむしろ高いとの説明でした。
株主の97%が個人投資家で、配当性向27.3%と増配傾向にある点も特徴的です。 環境価値とITソリューションの二本柱で成長を目指す企業として、今後の展開が期待される内容でした。
第二部:永濱利廣氏「26年度後半の内外経済市場予測」
第二部では、第一ライフ資産運用経済研究所の永濱利廣氏が登壇され、2026年度後半の日本経済と世界経済の見通しについて、非常に体系的で示唆に富む講演をされました。
1. 原油・物価:インフレはピークアウト後の調整局面へ
永濱氏はまず、原油価格の推移を示しながら、2022年にピークアウトしたドバイ原油先物が2026年は下落トレンドにあることを説明されました。 エネルギー価格の落ち着きが物価沈静化の基調を支えている点が強調されました。
東京都区部CPIも2022年にピークアウトし、2026年は政府の物価高対策が効き始めているとのことでした。 食料品減税の効果もあり、来年はインフレ率がゼロ近辺まで低下する可能性が示されました。
2. 金利:日銀は“1〜2回の追加利上げ”の可能性
YCC解除後の正常化が進み、2026年は金利が上昇基調にあります。 永濱氏は「日銀は今年1〜2回の利上げ」と述べられ、日銀の中立金利は1.1〜2.5%とされました。
金利正常化の流れはまだ続くとの見解が示されました。
3. 為替:円高方向へのシフト
為替については、世界的なインフレ沈静化と米国の利下げ観測、日本の追加利上げが重なり、円高方向へのシフトが予想されるとのことでした。 協調介入の可能性にも触れられ、為替政策が市場に影響を与える局面が続くと感じました。
また、「高市総理はドル円160円以上、長期金利3%を認めない」という政治的な発言も紹介されました。
4. 株式市場:地政学リスクが最大の不確定要因
日経平均株価は、2026年は高値圏で推移していますが、永濱氏は「軍事衝突があれば普通は軟調になる」と警鐘を鳴らされました。 地政学リスクが市場の最大の不確定要因である点が強調されました。
一方で、生成AI関連は売上高が上方修正されており、「株高だけでなく、実態経済に反映している」と述べられました。 AIはテーマ株ではなく、実需を伴う成長分野として評価されている点が印象的でした。
5. サナエノミクス:AI・半導体・造船・宇宙・海洋への国家投資
資料では、AI半導体・造船・宇宙・海洋の4分野で国家投資が大規模に進んでいることが示されていました。
AIではAIエージェント、フィジカルAI、AI for Science の推進、半導体ではTSMC熊本・ラピダス北海道への巨額投資が地域経済を押し上げています。 造船ではAI造船ロボット、宇宙では準天頂衛星システム、海洋ではレアアース泥採鉱試験など、具体的な施策が多数紹介されました。
永濱氏は「全部成功するとは限らない。ダメそうなものは早めに撤退」と現実的な視点も示されていました。
6. 長期株価見通し:日経平均“10万円台”の可能性
日経平均株価見通しでは、2035年に10万円台の可能性が示されていました。 研究開発投資が進めば、日本株の長期的上昇余地は大きいとの見解が示されました。
総括:今日のセミナーで見えた投資テーマ
- 2026年後半は「インフレ沈静化 → 金利正常化 → 円高方向」
- AI・半導体・宇宙・海洋は国策による成長分野
- 地政学リスクは最大の不確定要因
- 中小型株はマクロの影響を受けにくく、個別企業の成長力が重要
- CFGは“食品卸の安定性 × DX”
- ケイティケイは“環境価値 × ITソリューション成長”
今回の2社は、永濱氏の講演内容とも整合する「構造変化の恩恵を受ける企業」であると感じました。
今後も名証主催のサマーセミナーに継続して、参加します!
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