大阪IRについて、7月28日に開催されたりそなアジア・オセアニア財団のセミナーを第1部・第2部ともに聴講し、
私自身の経験とメモを踏まえて整理した結果を書きます。
第1部では、美原融氏より「IRはカジノを含む複合観光施設であり、カジノは全体の3%以下」という説明がありました。
IRの本質は、MICE、ホテル、劇場、商業施設などを組み合わせた巨大な観光・ビジネス拠点です。
しかし日本では、賭博が歴史的に社会悪と結びついてきた背景があり、制度への理解不足や反発が根強いことも指摘されました。
また、海外から違法に提供されるオンラインカジノの存在が、対面式カジノとの混同を生み、社会的混乱を招いている点も問題です。
第2部では、夢洲IRの規模が「甲子園11個分」であること、MGMリゾーツが買収提案を受けていることなどが紹介されました。
大阪IRは国の認定を受け、2030年前半の開業に向けて建設が進んでいますが、成功の鍵は「どれだけVIPを呼び込めるか」にあります。
ここで、私自身の経験から重要だと感じる点があります。
私はこれまで複数のカジノ都市を訪れてきましたが、超VIPと呼ばれる人々はカジノだけを目的に来るわけではありません。
彼らは、その国や地域に節税効果や継続的な利益を生む投資物件を保有しており、その視察や運用状況の確認が主目的です。その滞在のついでに、余剰利益の一部をカジノに投じているに過ぎません。
つまり、IRが成功するためには「超VIPがその地域に来る理由」が不可欠です。
シンガポールが成功したのは、金融センターとしての地位や法人設立のメリットがあったからです。
マカオは中国本土の富裕層の資産拠点と密接に結びついています。ラスベガスは世界最大のMICE都市であり、企業オーナーがビジネス目的で訪れます。
では、大阪はどうか。現時点で大阪には、超VIPが訪れるだけの投資物件や資産運用の魅力が十分に存在しているとは言えません。
国際金融都市としての地位は確立されておらず、節税メリットも乏しい。世界的企業の本社集積も限定的で、富裕層が大阪に来る必然性が弱いのが現状です。
この構造的な弱点は、IRの収益モデルに直結します。IRは一般客ではなく、VIP層の少数が収益の大半を支える仕組みであり、VIP誘致が不十分であれば採算性が崩れます。
制度面でも、現行のIR整備法は15年前の議論を基にしており、デジタル化やキャッシュレス化など現代のニーズとのギャップが生じています。オンラインカジノの存在も、対面式カジノの競争力を弱める要因です。
以上を踏まえると、大阪IRは「VIPが来る理由が弱い」「制度が古い」「都市機能が不足している」という三重のハードルを抱えており、成功確率は高くないと考えます。
もちろん、MICE誘致や国際企業の集積が進めば状況は変わる可能性がありますが、現時点では慎重な見方が妥当だと感じています。
大阪IR関連で面白い銘柄があれば投資を考えていましたが、今回は見送ります。
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